今回は、
『オーガズムってどんな感じ?~クリトリス編~』
『オーガズムってどんな感じ?~経験との関係~』
の続き。「感情」と「快感」との関係について説明します。
今まで説明してきた、
オーガズムを感じる時の『報酬系』という脳内の回路は、
「快」を感じた時に生じるものだと説明しました。
実はこの報酬系は、
セックスにおける快感時だけに生じるものではありません。
寒いところから暖かい部屋へ入った時、
空腹時に美味しいものを食べた時、
お金を貰った時、
人に褒められた時、
人に共感してもらった時など、
人が喜びや幸せを感じる、全ての事象において生じるものと言ってよいでしょう。
そして、
その中でも、かなり強く報酬系が働くのが、
恋に落ちた時
なんです。
会いたくて仕方のない彼に、久しぶりに会えた時、
大好きな彼女と初めて手を繋いだ時、
そんな時の高揚感って、サイコーですよね。
それをもたらしているのも、
『報酬系』なんです。
そしてその、
「愛しい」と感じている時の報酬系回路は、
セックス時の報酬系回路とリンクするんです。
(基本的には同じ報酬系ですから)
その恋愛感情による報酬系が、
「クリトリスに触れる」といった単純知覚による報酬系とリンクして、
快感度が増し、オーガズム閾値へ達しやすくなるわけです。
マンネリ化したパートナーとのセックスよりも、
愛しくて愛しくてたまらない相手とのセックスの方がオーガズムに達し易いのは、そういった理由があるのです。
(ちなみに、久しぶりに会えた時などは、さらに報酬系が活性化します)
この、
恋愛感情による報酬系と、
セックスの知覚刺激による報酬系の繋がりにより、相乗効果を示すわけですね。
ということは、
セックスで満たされ、多くの快感を得ると、
恋愛感情の報酬系にリンクするため、愛しさが増す。なんてこともあり得るわけです。
セックスでとても気持ちよくなり、一体感を味わっている時に、
「愛しくて愛しくてたまらなくなる…」
なんてことを経験された方も多いと思います。
これも、セックスにおける快感と、
愛しい気持ちを感じた時の報酬系回路がかなり似通っているために生じる、嬉しい現象なんです。
そしてそれを裏付ける、科学的根拠もあります。
ネズミの一種、プレーリーハタネズミは、
"つがい"を形成する、一夫一妻制の哺乳類として知られています。
(一夫一妻制をとる哺乳類は、人間を含め3~5%しかいない。少なっ)
プレーリーハタネズミのドーパミン受容体(報酬系回路の受容体)をブロックすると、交尾してもつがい形成が妨げられ、
逆に活性化させると、交尾なしでもつがい形成が起こることが実験で確認されました。
これはつまり、
報酬系回路を活性化することにより、オスとメスの絆が生まれるということです。
さらに、
つがいの絆形成をコントロールしている神経伝達物質に、
オキシトシンと、アルギニン・バソプレッシン(AVP)という2つの物質があります。
これらは、女性なら膣や子宮頸部への刺激があると分泌されるもので、
この2つの物質が分泌される脳領域は、報酬系にも属しています。
(母子の絆形成にも重要な役割を果たす物質です)
つまり、セックス時の報酬系と結びつくんです。
アメリカハタネズミという一夫一婦制でない種に、
AVP受容体を実験的に発現させることで、
相手を選ばない(乱交的な)アメリカハタネズミを、一夫一婦制に変えることに成功した!
という実験まであります。すごい。
人間においても、
オーガズム時や、ロマンチックな恋愛をしている時には、
男女共に、オキシトシ、AVPレベルが上がることが確認されていて、
科学的にも、
オキシトシ、AVP、そして報酬系回路が愛情を深めるためには必要不可欠だと考えられているんです。
これこそが、
お互い飽きずに気持ちのよいセックスを続けることの、
大きな大きなメリットだと考えています。
ロマンチックな恋愛感情は、
やはり年月を経るにつれ、薄れていくものです。
でも、セックスはお互いに開発し、さらに深めていくことができるんです。
そして、
お互いに満足のいくセックスができれば、
相手に対する「愛しい気持ち」をたくさん感じることができ、絆も深まるんです。
これは逆に、
セックスで不満を抱き、報酬系回路が活性化されないと、恋愛感情が薄れやすいということも意味しています。
もちろん、
セックスレスだと、みんな仲が悪くなると言っているわけではありません。
人間社会の家族愛などの絆形成には、もっと色んな要素が複雑に絡んでいますから。
しかし、恋愛感情としては、
「セックスで満足しているカップルに比べ、早く薄れてしまう傾向にある」ということは言えるようです。
いつまでもラブラブ仲良しでいられるよう、
いつまでも飽きないセックスを目指して頑張りましょう。
次の記事では、『感情』についてもう一つ重要なポイントを説明していきます。
次の記事へ→「オーガズムってどんな感じ?~感情との関係(2)~」
他の記事へ→もくじ
おすすめサイト様
↓ ↓ ↓
『セックスにまつわるエトセトラ』
僕、実は、セックステクニック以上に、こういう話が大好きなのです。
ランキング参加中です↓応援クリックお願いします↓

『オーガズムってどんな感じ?~クリトリス編~』
『オーガズムってどんな感じ?~経験との関係~』
の続き。「感情」と「快感」との関係について説明します。
今まで説明してきた、
オーガズムを感じる時の『報酬系』という脳内の回路は、
「快」を感じた時に生じるものだと説明しました。
実はこの報酬系は、
セックスにおける快感時だけに生じるものではありません。
寒いところから暖かい部屋へ入った時、
空腹時に美味しいものを食べた時、
お金を貰った時、
人に褒められた時、
人に共感してもらった時など、
人が喜びや幸せを感じる、全ての事象において生じるものと言ってよいでしょう。
そして、
その中でも、かなり強く報酬系が働くのが、
恋に落ちた時
なんです。
会いたくて仕方のない彼に、久しぶりに会えた時、
大好きな彼女と初めて手を繋いだ時、
そんな時の高揚感って、サイコーですよね。
それをもたらしているのも、
『報酬系』なんです。
そしてその、
「愛しい」と感じている時の報酬系回路は、
セックス時の報酬系回路とリンクするんです。
(基本的には同じ報酬系ですから)
その恋愛感情による報酬系が、
「クリトリスに触れる」といった単純知覚による報酬系とリンクして、
快感度が増し、オーガズム閾値へ達しやすくなるわけです。
マンネリ化したパートナーとのセックスよりも、
愛しくて愛しくてたまらない相手とのセックスの方がオーガズムに達し易いのは、そういった理由があるのです。
(ちなみに、久しぶりに会えた時などは、さらに報酬系が活性化します)
この、
恋愛感情による報酬系と、
セックスの知覚刺激による報酬系の繋がりにより、相乗効果を示すわけですね。
ということは、
セックスで満たされ、多くの快感を得ると、
恋愛感情の報酬系にリンクするため、愛しさが増す。なんてこともあり得るわけです。
セックスでとても気持ちよくなり、一体感を味わっている時に、
「愛しくて愛しくてたまらなくなる…」
なんてことを経験された方も多いと思います。
これも、セックスにおける快感と、
愛しい気持ちを感じた時の報酬系回路がかなり似通っているために生じる、嬉しい現象なんです。
そしてそれを裏付ける、科学的根拠もあります。
ネズミの一種、プレーリーハタネズミは、
"つがい"を形成する、一夫一妻制の哺乳類として知られています。
(一夫一妻制をとる哺乳類は、人間を含め3~5%しかいない。少なっ)
プレーリーハタネズミのドーパミン受容体(報酬系回路の受容体)をブロックすると、交尾してもつがい形成が妨げられ、
逆に活性化させると、交尾なしでもつがい形成が起こることが実験で確認されました。
これはつまり、
報酬系回路を活性化することにより、オスとメスの絆が生まれるということです。
さらに、
つがいの絆形成をコントロールしている神経伝達物質に、
オキシトシンと、アルギニン・バソプレッシン(AVP)という2つの物質があります。
これらは、女性なら膣や子宮頸部への刺激があると分泌されるもので、
この2つの物質が分泌される脳領域は、報酬系にも属しています。
(母子の絆形成にも重要な役割を果たす物質です)
つまり、セックス時の報酬系と結びつくんです。
アメリカハタネズミという一夫一婦制でない種に、
AVP受容体を実験的に発現させることで、
相手を選ばない(乱交的な)アメリカハタネズミを、一夫一婦制に変えることに成功した!
という実験まであります。すごい。
人間においても、
オーガズム時や、ロマンチックな恋愛をしている時には、
男女共に、オキシトシ、AVPレベルが上がることが確認されていて、
科学的にも、
オキシトシ、AVP、そして報酬系回路が愛情を深めるためには必要不可欠だと考えられているんです。
これこそが、
お互い飽きずに気持ちのよいセックスを続けることの、
大きな大きなメリットだと考えています。
ロマンチックな恋愛感情は、
やはり年月を経るにつれ、薄れていくものです。
でも、セックスはお互いに開発し、さらに深めていくことができるんです。
そして、
お互いに満足のいくセックスができれば、
相手に対する「愛しい気持ち」をたくさん感じることができ、絆も深まるんです。
これは逆に、
セックスで不満を抱き、報酬系回路が活性化されないと、恋愛感情が薄れやすいということも意味しています。
もちろん、
セックスレスだと、みんな仲が悪くなると言っているわけではありません。
人間社会の家族愛などの絆形成には、もっと色んな要素が複雑に絡んでいますから。
しかし、恋愛感情としては、
「セックスで満足しているカップルに比べ、早く薄れてしまう傾向にある」ということは言えるようです。
いつまでもラブラブ仲良しでいられるよう、
いつまでも飽きないセックスを目指して頑張りましょう。
次の記事では、『感情』についてもう一つ重要なポイントを説明していきます。
次の記事へ→「オーガズムってどんな感じ?~感情との関係(2)~」
他の記事へ→もくじ
おすすめサイト様
↓ ↓ ↓
『セックスにまつわるエトセトラ』
僕、実は、セックステクニック以上に、こういう話が大好きなのです。
ランキング参加中です↓応援クリックお願いします↓

