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今回は、
潮吹きのメカニズム~潮って何?~
潮吹きのメカニズム~自律神経と強制排尿~にて、長々と説明してきた、

「尿の生成から、排尿と強制排尿」

の8つのポイントを踏まえた上で、
今まで謎とされてきた、
潮吹きに関する様々な疑問を解き明かしていきます。



長文必至です。



ちなみに僕は、
いわゆる、クジラの潮吹きのように、さらさらで無色透明な液体が吹き出す現象を潮吹きと定義します。

つまり、たまに議論に出される、
乳白色(または無色)で少し粘りのある液体が少量飛び散るものは、潮吹きとは別モノとして考えています。

これを一緒にしちゃったら、議論にならないので。



では、ちまたで広まっている潮吹き論について考察していきましょう。
(※僕が「潮吹き」と検索して調べたものを『』で表記します)




『さっき、おしっこしたばかりなのに、大量に吹くから尿のハズが無い』
『おしっこと違って、無色透明、無味無臭(若干しょっぱい)だから尿じゃない』


これらについては、セックス時に尿生成が促進されることで説明がつきます。
前々回抗利尿ホルモンが分泌されないと、10倍以上も尿量が増えると説明しました。

10倍とまではいかなくとも、5~6倍になるだけで、
たとえプレイ前に膀胱が空っぽだったとしても、
10分もすれば「プジョー!プッシャー!」って吹けるくらいの量が溜まります。


簡単に溜まります。


そして、抗利尿ホルモン分泌が抑制されて生成される尿は、
あまり水分の再吸収がされなかった尿です。


尿は、
まず血液が濾過されて、尿のもとになる濾液が生成され、
最終的にはその濾液の水分の大部分が再吸収されるので、
いわば濃縮された尿となって体外へ排泄されているわけです。

つまり普段の尿は、濃縮尿なのです。

血液から濾過される量は、1日を通してほとんど変わりがありませんので、
最終的な水分の再吸収により尿量が調節されるわけです。


つまり、尿量が5~6倍になるということは、
濾液から血液中への、水分の再吸収量が5~6倍減少し、
普段よりも5~6倍、水分過多の尿が生成されるということです。

例えば、
200mlのポカリスエットを1000mlので薄めることを想像してみて下さい。

かなり薄いです。


元々、尿は、オルナミンCとか飲んだりしない限り、色はけっこう薄いものです。
また臭いも、量が少なければそんなに臭わないものです。

普通におしっこする時は、便器に溜まった尿から、蒸気と共に臭いが上がってくるので、独特の臭気を感じますが、
潮吹きくらいの量では、そんなに臭いません。
(一度、尿を手にひっかけて、臭いを嗅いでみて下さい。ほとんど臭いはしないハズです)

しかも、潮吹き時の「潮」は、
普段の尿よりも、何倍も水で薄まった「尿」ですから、
かなり無色透明で無味無臭に近いわけですね。


よって、
おしっこしたすぐ後に噴いたとしても、
無色透明で無味無臭でも、なんの不思議もないわけです。


ちなみに、
エッチの前におしっこしないで、
膀胱内に通常の尿が残っている時に「潮吹き」すると、
黄色っぽい、オーソドックスな尿が出ます。

だから、世に出回る潮吹き講座では、
「プレイの前にトイレに行きましょう」と書いてあったりするわけです。



『水分をたくさん摂ると、潮の量が増える』

これは、水分摂取により、血液中の水分濃度が上がり、抗利尿ホルモン分泌が抑えられるために、
尿量が増える
からです。

セックス時は、副交感神経の影響で、ただでさえ尿量が増えるのに、
さらに水分過多になれば、
短時間で大量に、しかも水のような尿が生成されるわけです。

大量潮吹きAV女優さんは、水分をたくさんとってから撮影に入るようですから、
それこそ10倍近い尿生成がされているのかも知れません。



ちなみに愛液は、水分をたくさん摂ったところで、分泌量はほとんど変わりません。

濡れにくい女性に「水をたくさん飲め」と言ったところで、何も変わらないでしょう。




『潮には、男性でいう前立腺液に似た成分が含まれている』

これは、
潮の成分を調べたところ、
尿の成分がほとんどだったが、僅かにスキーン腺液が含まれていたということです。

スキーン腺液の成分は、前立腺液の成分に似ており、
その開口部は外尿道口(おしっこが出る穴)のすぐ側です。
(尿道に開口していることもある)

潮吹きして飛び散った尿に、スキーン腺液が含まれていても、何の不思議も無いわけです。




『膣液(スキーン腺液など)が膀胱(尿道)に染みだして溜まり、噴出する』

これはもう論外です。
尿路(膀胱、尿道)は、溶質も水も通さない不透過性ですから、
そんなこと、卵の殻から中身が染みだしてくるってくらいあり得ないことです。

スキーン腺が尿道に開口している女性もいますが、それは外尿道口の付近ですから、分泌されればすぐに外に出てきます。


そもそも、膣周辺に分泌される愛液は、
噴出するほど、一度に大量に分泌されるなんてあり得ません。

乳腺を例に出し、乳汁がピューって出るから、膣周辺の腺組織でも起こりうる、
と説明していたりもしますが、乳腺とスキーン腺では大きさが全然違います。

膣周辺の腺組織は、乳腺はもちろん、唾液腺なんかよりもかなり小さく、
溜めておく場所もありません。

生成されればすぐに分泌されるんです。

だから僕は、いわゆる潮吹きのようにプッシャー!って噴出するなんてあり得ないと思うわけです。




『潮吹きは膣口から噴出する』


「尿道から噴出する」という意見の方が多い気もしますが、
膣口からだとする意見もあります。

これは、この記事の最初で潮吹きの定義から外したもので、
膣内に分泌される愛液をさしているものでしょう。

例えば、
オーガズムに達すると、子宮から子宮頸管粘液がドドーッと出てきますが、
それも、かなり多くても数ccしかありませんし、ブッシュー!って吹き出すなんてありえません。

それから、膣壁はいわゆる汗をかきます(オーガズム時に大量にかく)。
これも、普通の汗のようにさらさらの液ですが、やはり吹き出すほど一度に大量分泌することはあり得ない。


汗が「ブシュー!」って噴出しないのと同じように、
物理的にあり得ないんです。


でも、
すごく濡れ易い女性は、それらの愛液が膣内に溜まり、
指やチ○コを入れた際、「ブジュ」っていって溢れ出すことはあります。

それを水鉄砲のように、指で掻き出しているという意見もあるようです。


バルーン現象が起き、膣腔内に愛液が大量に溜まることはあるので、それもありえるでしょう。


しかし、潮吹きをしたことがある方なら分かるかと思いますが、

潮吹きする時は、
ジワ~~ッと尿道付近(または刺激されている部分)に熱いものが溜まるような感覚があり、
「何か溜まってくる…っていうか溢れちゃう!もうダメーー!」ってくらいの感覚があるものです。
(あまり無い人もいます)

膣内に溜まった愛液を、指で掻き出すだけで、あの感覚にはならないでしょう。

そういう感覚が起こるとすれば、
「出口が絞まっている場所に溜まり、その圧力に耐えきれず出口が開くことで吹き出す」
という状況でしょう。

つまりそれは、排尿反射により、
膀胱が収縮(不随意)して尿を送り出そうとしているのに、
内尿道括約筋(不随意)が絞まっていて、
その葛藤により生じる感覚だと思われます。


だからやっぱり、膣口から吹き出すのは潮吹きではないと考えているんです。



『Gスポット周辺を刺激すると潮吹きする』
『クリトリス周辺の刺激により吹くこともある』


これは、前回の記事で書いた、強制排尿により説明できます。

Gスポット周辺は、直接膀胱刺激というよりも、
膀胱の少し下の尿道にあたりますが、これが気持ちのいい潮吹きをするために重要なポイントになるんです。

それについてはまた次回説明していきます。




というわけで、
潮吹き一般論についてざっと見てきましたが、

「潮=尿」と定義すると、全てに納得のいく説明がつくんです。

そして、
「潮=尿以外の分泌液」という考えは、現在の医学、物理学的にあり得ないとしか言えないんです。


ただ、絶対無いとは言い切れません。


なぜなら、まだ科学的に解明されていない「何か」があるかも知れないから。



とりあえず、現時点での僕の結論は、

「潮吹き」が「尿吹き」である可能性は99%です。



もし、異論のある方がいらしたら、是非ともご意見聞かせて下さい!



では、次回は、
尿」という理論に基づいて、もう少し潮吹き現象について分析していきます。

「早く吹かせ方を教えてくれ」と言われるかもしれませんが、こういった理屈を知ることは、とても重要だと考えていますので、もう少しお待ち下さい。



次の記事へ→『「潮吹き」と「オーガズム」は無関係!

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